オススメ著者⑨ ~佐藤 航陽~

名前: 佐藤 航陽(さとう かつあき)
職業: 実業家(メタップス株式会社代表取締役社長)
経歴: 15歳から、自己流の商売を始め、生活費などを稼いでいた。早稲田大学中退。株式会社メタップスを設立。アプリ収益化プラットフォーム「Metaps」を開始し、世界8拠点に事業を拡大。その後決済サービス「SPIKE」の立ち上げ。東証マザーズに上場。フォーブス誌の「日本を救う起業家ベスト10」、AERA誌「日本を突破する100人」、アジアを代表する30人「Under 30 Asia」等にも選ばれた若手実業家。
代表的な著書: お金2.0

前田裕二、落合陽一等と並ぶレベルの「天才」だと思います。彼の書評やインタビューはいろんなところで見受けられますが、その中でも彼のメタップス創業当時のエピソードが衝撃的でした。

彼が起業した当初は、インターネットによって巨万の富を得た事業家が何人もいたいわゆるITバブルの時代でした。当時ライブドアの社長をやっていた堀江貴文、サイバーエージェントの藤田晋などがその例です。その当時にデジタル社会のど真ん中で事業を興したのですが、彼はかつてからパソコンが得意だったわけではなかったそうです。インターネットやコンピューターを学び始めたのは「起業してから」だったそうです。以前はパソコンを持っておらず、ひたすら本を読み独学で勉強して、分からないところは友人に聞いたりして、スキルを高めたそうです。現在で言うフリーランスのように、仕事を受けながら、それに必要なこと一から覚えていったそうです。できるかどうか分からない仕事もとにかく受け、それから参考書や資料を探していたそうです。とにかくまず行動し、当たり前のように自らの逃げ道を塞ぎます。守りに入る素振りが全くないことが凄いと思います。

今回紹介する著書、「お金2.0」は、以前紹介させて頂いた箕輪厚介さんが編集長を務めるnewspicks booksのシリーズの内の一冊です。この本は決してお金持ちになるための本ではありません。私たちが当たり前に使っているお金というものは何なのか?という、より本質的な内容です。読書会に来て頂いている20代くらいのいわゆるミレニアル世代の方であれば、仮想通貨やブロックチェーンの流行を目の当たりにしていますし、最近ではあらゆる会社がキャッシュレスのビジネスを始めていることから、読み進めるのに抵抗はないのではないでしょうか?普段月末になると振り込まれている「給料」は一体どこにあるのか?銀行にあるのか?ご自身の財布の中にあるのか?などを改めて考えながら読んでみて下さい。




1.人の手で経済は作れるか?

「経済」というと皆さんスケールの大きい何かを思い浮かべるかもしれません。銀行、企業、投資家…など色々なイメージを持って語られています。アダム・スミスが「神の見えざる手」と言ったように、個人にコントロールすることのできないものが経済と言われていました。
しかし現在は、ネットのサービスや、多種多様な業種の店が入るショッピングセンター、また大学生のサークルにいたるまで、様々なところで個別に完結する経済が作り出されています。経済は、「読み解く対象」から「創り上げる対象」になったということです。
最近では、銀行の特権であった金融そのもののシステムさえも、個人や企業が握るようになってきました。メルカリのポイントや、TSUTAYAのポイントカード等、その実体のない数字がユーザー数の増加に伴い価値を増していき、「お金の代わり」になるのです。ポイントでものを買うに代表されるように、現金さえいらなくなります。その換金システムを使えばよくなります。




2.持続的に成長する組織の状況

身近な「経済」の例としては会社が挙げられます。給与という分かりやすい報酬が用意された典型的な経済システムです。では経済としての企業が成長し続けるためには何が必要なのでしょうか。

① 明確な報酬が用意されているか
 会社は労働の対価として給与が用意されていますが、今後は給与が高いということだけが魅力ではなくなる傾向がどんどん強まっていきます。その会社で働いていることで社会的な承認が得られるか、若い人ではモテる職業か否かといった面が大切になります(笑)


② 市場が変化し、成長スピードが速いこと。
 どの職業を選ぶかで人生が決まると言われています。やりたいことをやれとは近年良く言われつつも、やりたいことが世の中の潮流に逆らうもの、また適応しないものであったら、生活ができないのです。なのでやはり今後何十年と生き残り続ける仕事は何か?その中で提供できる価値は何か?を考える必要があります。カメラ産業そのものが、iPhone等に淘汰されてしまう時代に写真の現像屋さんにもなろうものなら本気で食いっぱぐれてしまうほど、仕事の選択が大切な時代がやってきました。

③ 予測不可能であること
 日本の大企業に半年以上いると分かってきますが、こういった会社の業務は基本的に予定調和的で毎日続けていると自然に身に付きます。慣れてしまえば、それ以上は学ぶこともないし必要もない内容であることも多々あります。

④ ヒエラルキーがあること
 これは当然です。努力してもしなくても給料に変わりがない場合は、社員はみな一生懸命働こうとします。
 成果主義を基本原則とする会社が理想。




3.企業経営を通じて学ぶビジョンの重要性

大企業勤務の方であれば、胡散臭い企業理念を音読させられたりする経験がおありなのではないでしょうか(笑)、こんなもの何の意味があるのか…と。

しかし起業してみると、「社内の統一性」がいかに重要かということが分かります。すべての社員を統制できるわけではありません。だからこそ、会社を一本通すような理念を言葉にして浸透させることは、先ほどの経済を発展させる上で最も大切なものといっても過言ではないそうです。




4.ベーシックインカム導入後のお金

AIなどのテクノロジーの発達により、人間の仕事がなくなっていくという内容のニュースはご存知だと思いますが、そこで同時に人が嫌な職場で嫌々働く必要がなくなります。そうなると、最低限の生活を送りながら好きなことをするという生き方が可能になります。それの第一歩が現在世界中で国策として検討されている「ベーシックインカム制」です。裏を返せば、お金はあったら便利なものであるというだけになります。要はお金の価値は一気に下がります。現在の私たちミレニアル世代の求めているものは、お金よりも「自由・充実性・柔軟性」であるというトレンドからも、早急に導入されれば、死んだ顔して満員電車に乗る光景を見なくてもすむようになるかもしれません。




今回紹介させていただいた佐藤航陽のような時代の最先端をいく考え方や価値観、そして想像力のある人も私たちの世代に多くいるということを知りつつ、その中で自分が取り残されないようにするツールの一つとして読書はとても有意義だと思いますので、社会人生活で忙しい時こそ本を読む習慣をつけ、目の前のことに追われるだけでなく少し先のことまで目を向けてみて下さい。





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