オススメ著者② ~小山 薫堂~

名前: 小山 薫堂

職業: 放送作家、脚本家、経営者

略歴: 1964年熊本県生まれ。放送作家、脚本家。日大芸術学部放送学科在籍中に放送作家としての活動を開始。テレビ番組での代表作に、「カノッサの屈辱」「料理の鉄人」「ニューデザインパラダイス」など。映画脚本を手掛けた「おくりびと」は、第81回アカデミー賞外国語映画賞、第32回日本アカデミー賞最優秀作品賞を樹書した。現在、東北芸術工科大学デザイン工学部企画構想学科学科長、同大教授。N35inc・株式会社オレンジ・アンド・パートナーズ代表。

著書:「幸せの仕事術」「考えないヒント」「明日は心でできている」

今回は著書、「幸せの仕事術」について簡単に紹介していきたいと思います。彼の著書のイメージは、「ゆるい内容ではあるものの、芯が通っている」といった感じです。感覚的であり非常に説明しにくいのですが、ただ日々の仕事に追われていたり、仕事が楽しくない…という方にはぜひ読んで頂きたいと思っています。

幸せの仕事術では、「時代を動かすヒット作はどのように生まれたのか?」というテーマで始まります。映画「おくりびと」や、大人気のゆるキャラ「くまモン」を手がけた彼が、愛される商品を生んだ発想の極意を明かしてくれます。ポイントは、日常をちょっとした工夫で面白くし、それにより身近な人を喜ばせようという視点です。人を喜ばせたその延長線上にヒットする商品・サービスの企画があるといいます。日々実践できるアイデアの鍛え方から企画実行のコツまで、日々一般的な企業に勤めているだけではなかなか気づかないユニークな仕事術が多数紹介されています。

1.「企画」の見方と見せ方を変えると、魅力が出る。

小山さんが大学の講義で実際に行ったことが例として出されています。イチロー選手が毎日カレーを食べていたのは有名な話ですが、今回小山さんの授業において、イチロー選手のお母さんに大学まで来てもらい、初めは素性を隠してお母さんにカレーを作ってもらい、「鈴木さんの作ったカレー」と紹介するのですが、学生はあまり興味を持ちません。そこで、徐々にお母さんの素性を種明かししていき、最終的に「イチロー選手の母」ということを明かした瞬間、学生から歓喜の声が上がったというエピソードです。「鈴木さんの作ったカレー」と「イチロー選手の母が作ったイチロー選手が毎朝食べているカレー」、本質は同じものなのに「食べたい」という興味・関心はぜんぜん変わってくる、こういう少しの見方の変化や気づきなどで、日常をさらに面白くしていくのが「企画」の概念なのだろうなと分かりました。

2.無駄遣いのすすめ

彼は「偉大なる無駄遣い」という授業もやっていたそうです。これはハーバード大学等でも取り入れられている内容ですが、「人生を豊かにする一万円の使い方を考えなさい」というものです。彼はこのテーマにおいて、普段何気なく使っているお金も、誰にどんなきっかけを与えるのかを理解することで可能性が広がる、と言っています。例えば、知らない土地で知らない人とつながるために、タクシー代に一万円を使い、運転手さんに面白い人がいるところに連れてってもらい、そこで出会った人についてレポートを書きます。一見無駄に見えるような使い方でも、毎日同じように仕事に行き、帰り、いつも同じ人と飲みに行く(笑)、といった何気ない日常に彩りを与えるものは、こういった良い無駄遣いから生まれる出会いや経験にあるのではないでしょうか。

3.人は知らずして最良の道を選び生きている

こういう言葉に勇気づけられる方も多いのではないでしょうか。就職や結婚など、人は時に人生における重大な分岐点、選択を迫られることが往々にしてあります。そんな時「この選択は正しかったのかな」と後から悩んでしまう方も多いのではないでしょうか?小山さんも自分の人生を例に出しながら、今どんなに自分の選択に後悔して辛いと感じていたとしても、この先いいところにたどり着くための回り道だった(最良の道だった)んだと気づくのだと言っています。私たちのようにミレニアルな若い世代はまだ人生経験が伴っていないが故に実感がない方もいらっしゃるかもしれませんが、どんな環境の中でも自分なりの経験を積むことが、こういった感覚を得る最短の道なのではないかと思います。


人生経験が豊富で、かつ誰の目からも分かる結果を出している人の考えはやはり私たちのような若者には魅力的に写りますし、そういった人の人生や価値観が凝縮されているのがビジネス書や自己啓発本だと思っています。よく読書は「他人の人生の疑似体験」と言われています。若い方だからこそ読書をして、一人でも多くの人の価値観に触れて自分の人生の糧にして頂ければと思います。

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