~第156回 読書会開催記録~

この日はあいにくの台風による土砂降りの影響で、4名という超少人数での開催となりました!

会場のカフェも人が少なく、非常に静かでスムーズに進行できました。


今回紹介された本の内容です!


1.はたらかないでたらふく食べたい

「身も蓋もない」「大きな声では言えないけど激しく同意」など、刊行当初から様々な話題となっていた本書ですが、著者いわくタイトルのニュアンスとしては、


はたらかないからつつましい生活をするんじゃなくて、
やりたいことをやるんだ、ということ

のようです。「はたらかない」というのは、今の経済の仕組みからドロップアウトして生きていきたいという意味で使われることが多いです。そして今の経済から離れる(働かなくなる)ということは、「慎ましい生活をするのが当たり前」となる。自分からドロップアウトするんじゃなくても、フリーや非正規の仕事にしかつけなかったらそれなりの生活を、、となるのではなく、「たらふく食べたい」(笑)という意味です。

 

そう言われると、なるほど、ってなりますが、意外とみなさん意識していないのではないでしょうか。

 

消費社会とか、身なりとかも、稼ぎに対して変えていく、つまり稼ぎに合わせていかなければということと、ダイレクトにつながっている。よってそこから解放した方がいいという考え方がメインに掲げられています。

 

2.フェルマーの最終定理

かの有名なフェルマーの最終定理(「nが2より大きいとき、x^n + y^n = z^n が自然数解をもたないことを証明せよ」)に関する伝記です。これは誰もが理解できる問いであるのに、実に300年も証明できなかった難問です。最終的には、1993年(最終的には1994年)アンドリュー・ワイルズによって証明されました。

 

難しい数学の話について、つらつらと書かれているのではなく、ドキュメント仕立てで構成されています。丁寧な取材に基づき、フェルマーの最終定理が解き明かされるまでの背景、また本題を挙げたフェルマーと、最終的に解いたアンドリュー・ワイルズの人物形成までしっかりと書かれており、最後に証明という形に結びつくといったドキュメント番組形式で進んでいきます。

 

17世紀にフな命題が、どのように生まれ、後世の人たちがどのように挑んでいったかを、1994年にアンドリュー・ワイルズによってされるまでの人間ドラマ、そして数学についても素人を突き放さないよう、やさしい解説も差し込みながら、素人の読み手に最後まで読ませるものになっています。なんとこの問題の解法には日本人数学者が大きく関わっており、ワイルズが使った数学公式のほとんどは日本人が編み出したものであるそうです。最終的に解いたのはワイルズですが、その背景には多くの人間が関わっているそうです。


文系の主催には数学の難しいことは理解できませんが、学ぶことは多く、1つの歴史本として読むと面白いものであると思います。

 

3.フリーランス1年目の教科書

似たようなタイトルの本は多いと思いますが、本書は、会社員を辞め、独立開業を目指すフリーランス1年目の方が退職・独立するに当たり、必ずしなければならない「役所の手続きや事務」など知っておきたい知識や法令、トラブル対処法を、具体的な相談例でわかりやすく解説してある本です。よくありがちな、フリーランスの良い部分のみを羅列した本ではなく、しっかり現実に即した内容となっており、フリーランスの大変な部分、デメリットもきちんと書かれています(章の中にあるコラムに「会社員を辞める前にしっかり考えるべきこと」という欄があるほどです)

年金、失業保険、保険証、登記、所得税、事業税、確定申告、、、これらを聞くだけでアレルギーになってしまうような方は、ぜひ一度フリーになる前に本書を読んでみると、冷静に考えることができると思います。

 

以上、今回参加者の方に紹介いただいた本です!

興味を持っていただいた方はぜひ一度ご参加ください。

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