~1/19 読書会(雑談会)記録~
本日は先週とは打って変わって、3名でこじんまりと開催いたしました!👫
読書会…というより、この日は雑談会でした(笑)。たまたま参加者同士の職種が全く同じで、社外の交友関係を広げよう!がコンセプトにも関わらず仕事トーク全開で本の内容にはあまりふれないという…
正直、めちゃくちゃ楽しかったので話が尽きず一時間くらいまた会がオーバーしました。
職場の同僚や先輩に対してはどうしても遠慮しがちで本音を言えなかったり、変なプライドが邪魔をして吐き出せなかったりするものですが、初対面でかつ普段全く関わりのない相手、しかも同世代の人と気兼ねなく何でも話せるのは読書会含むオフ会のいいところじゃないかなーと思います。
時間がなくて主催は本を紹介しなかったのですが(笑)、今日紹介いただいた2冊を簡単に振り返ります。
1.カンディード 著:ヴォルテール
フランス文学好きであれば知らない人はいないレベルの名著らしいです。主催は知りませんでした笑。フランスやイギリスでは一般教養らしく、日本人で本書を知っていると、一目置かれるそうですよ。また、現在のイギリス首相ボリス・ジョンソンは演説でよく本書の中身を引用しているそうです。かの有名なルソーと肩を並べ、フランス革命を主導した人物が、作者のヴォルテールです。
フランス文学は基本バッドエンドが多いため、日本ではあまり流行りにくいのだそうです。また、フランスの時代背景や専門用語の意味を理解していないと、日本語に翻訳されているにも関わらず、全く何を言っているのか分からないという特徴もあります。
本書は、「世の中は最善の状態にある」という最善説を未だに信じているようなほど世間知らずで純粋な主人公、「カンディード」が、次々と不幸な出来事に合ってしまうというストーリーです。個人的にはそんな風にポジティブに世の中を見ることができるのであればそれは素晴らしいことだと思いますし、いずれ良いことも必ずあるんじゃないかなーとは思うんですが(笑)。
気になった部分としては、主人公カンディードと、マルチンという登場人物の会話が、彼らが正反対であることによって面白さを引き出しているんです。マルチンはひたすらネガティブで、世の中を冷めた目で見ていて、カンディードの反応にいちいち皮肉を飛ばすわけです。
カンディード「あなたはフランスへいらしたことがありますか」
マルチン「そりゃいろんな場所を回りましたよ。住民のほとんどが頭がイカれてる街もあれば、住民がズル賢すぎてうんざりする街もある。おとなしいけどどんくさい人のいる街や、洗練されたように振舞うだけの人しかいない街もありますが、どの街でも恋愛には盛んで、人の悪口が大好き。ばかげた話をすることに喜びを感じている。」
とかですね。まあ、友達にはなりたくないですね(笑)
前述のとおり、バッドエンドなので、登場人物には、とんでもない悲惨な災難が次々と起きてしまいます。いたるところで騙され、牢に入れられ、金を盗まれる。世の中が嫌いになるほど暗いストーリーですが、皮肉の効いたユーモアもちりばめられており、普通の小説とは全く違うので、日本人であればより新鮮な視点で読めると思います。
2.FACTFULNESS
最近一番メディア等を含めプッシュされている本ではないでしょうか?駅広告や、書店のポスターなどあらゆるところで表紙を目にします。メチャクチャ分厚い本ですが、個人的には他の洋ビジネス書の要約版の中ではかなり読みやすい部類に入るんじゃないかなと思います…
タイトルだけ見ても、なんのこっちゃ分からない方も多いのではないでしょうか。~まずは、世間で当たり前とされているモノ、いわゆる””常識””を最新のものにアップデートする為には「ファクトフルネス」を知る必要がある~そこから始まります。10年前、誰もIphoneが、電話、カメラ、財布、その他無限の数の機能を一つに内包したデバイスとなって世に出されるとは思っていなかったわけです。電話はカメラとは別に持つのが当たり前。人々のカバンの中を彩っていたものがここまで集約されるとは、””常識””ではありえなかったわけです。
ファクトフルネスとは、「事実に基づいて世界を見る手段」であり、思い込みを捨て、データに基づき世界を正しく見る習慣のことです。間違っているかもしれない情報に惑わされない、、ネット社会では必須のスキルです。間違った情報を得ることで焦ってしまい、それにより無駄にする時間がなくなるわけです。人は自分が思っている以上に、当たり前と思っている常識を疑う事は難しく、本書ではそのきっかけをつかむことができるのではないかと思います。
いかんせん分厚く内容が濃い本なので、紹介されている人の「認識のバイアス」を10個、例とともに紹介していきます。
1.分析本能
「世界は分断されているのだ」という思い込み???
先進国VS発展途上国などの対立関係は非常に分かりやすく、日本の教育でも多く使われている。しかし、例えば「先進国と発展途上国を比べ、母親一人当りの子供の数と彼らの生存確率が極端に差がある」という思い込みは、あくまで1960年代のデータに基づいた話であり、2017年のデータでは先進国と途上国には優位な差はない。
2.ネガティブ本能
世界はどんどん悪くなっているという思い込みをネガティブ本能といい、日本人はこの傾向が強い。連日、サラリーマンの平均年収が減少!少子高齢化がさらに進行!などネガティブなニュースがお茶の間をにぎわせるのを見れば納得がいきますね(笑)
人間には、物事のポジティブな面よりもネガティブな面に気づきやすいという性質がある。たしかに悪くなっている側面もあるが、実際は世の中の「悪い面」と「良くなっている面」は両立している場合が多い。このことを知っておくだけで、ネガティブに偏った思考を持たなくて済む。
3.直線本能
世界の人口は増え続けるだろうといった思いこみを直線本能といいますが、実際のデータは直線ではなく、S字カーブを描いたりしているのが普通です。人口増加は指数関数的に増加しているのではないかと、日々の雑誌のデータ等を見ると思いますが、実際はS字カーブ方に推移し、直線的に増えるわけではないようです。
4.恐怖本能
実際は危険じゃない事を、恐ろしいと考えてしまう思考の偏りです。子供はこの傾向が強いですよね。しかし実際にリスクを正しく計算したうえでデータを見ると、面白いことが見えてきます。例えば、飛行機事故の死亡事故や、クマやサメといった動物に襲われて死亡する確率より、夫や親のDVで亡くなる子供や妻の被害の方が多いんです。
5.過大視本能
目の前の数字がいちばん重要であるという思い込みです。営業だと目の前の目標額だったり、1つの物差しの基準のみを目にします。何かと比較したり、要因を分析したうえで再度同じ数字を見ると、当初その数字に対して持っていた印象と全く違うことがあるわけです。例えば、世界の二酸化炭素排出量において、中国は国土の大きさからも圧倒的な量ですが、国民一人当りの排出量で捉えると、他国とかけ離れているともいえないのです。
6. パターン化本能
ひとつの例が全てに当てはまるのではないか…と言う思い込みです。複数の物事を見た際、とりあえず類似していればひとくくりにしてしまうのではなく、その中での違いや、別の集団との共通項を見つけていくことです。要素を細分化するということですね。
7.宿命本能
全ての物事は生まれながらにして決まっているとする思い込みです。これも非常に分かりやすいですね。皆さん頭では分かっているとは思いますが、これは偏見で、ゆっくりとした変化であれ、急速な変化であれ、生きている内に欲も悪くも思いがけないことは発生するわけで、これは宿命とは程遠いものです。「自分の人生は宿命によってではなく自分でアップデートする」というのは最近のよく言われるトレンドです。
8. 単純化本能
世界はひとつの切り口で理解できるという思い込みです。例えば、先ほどの国の例でいえば、私たちは基本的にアメリカを基準に物事を比較します。ニュース等もそうですよね。アメリカのような先進国のイメージを持って、他国を見た際は、それらが全てアメリカよりは劣っているだろうと捉えてしまうわけです。しかし実際、例えば平均寿命を考える場合、国の経済発展状況以外の医療、食生活などを包括したデータを用いると、キューバはアメリカよりも健康な国なんです。
9.犯人捜し本能
「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込みです。皆さんお気づきかと思いますが、ネット社会に蔓延する本能ですね(笑)。自分の物事が上手くいかないのなら、本来責める先の矢印は、決して他にはいない犯人捜しに向けるのではなく、自らの原因にフォーカスする必要があります。
大きな視点で見ると、アジアの出生率の低下を、中国の一人っ子政策の影響と推察するコメンテーターは多いですが、それ以上に避妊具の普及の影響が大きかったようです。
10.焦り本能
今すぐ手を打たないと大変な事になるという思い込みです。未来のことなんてほとんど分からないのです(笑)。大胆な意見など不安を煽るような過激な発言、極端な論を見聞きする際は注意が必要だと思います。
いかがでしたでしょうか??
当読書会はもともと少人数で仲良く交流できる場を作ろう!と考えて主催したサークルですので、深く狭い付き合いが好きな方にオススメです!(笑)。ぜひ一度遊びに来てくださいね。